アリスの不思議なびいどろ 第12話

  • 2019.07.26 Friday
  • 06:33

client:毎日新聞社

作・絵 日端奈奈子

2019.1〜2019.3

 

毎日小学生新聞にて
「アリスの不思議なびいどろ」というお話を連載させていただきました。

(毎週日曜日・全13回)

 

 

〜第12話〜

 

 

ある日、街を歩いていると
新しいお店をみつけた。

 

新しいのに何十年も前からそこに
あったような気もする。

 

外はまだ明るいのに…まるで夜み
たいなお店に入ると私はとても驚
いた。

 

だって、あのときリリアスと一緒
に作った色んな宝物がそこに売っ
ていたのだから…

 

「びいどろ」もあった。

 

懐かしいガラスのラッパをそうっ
と手にとった。

 

私が知っているびいどろとは少し
違うような気もした。

 

アリスの不思議なびいどろ 第11話

  • 2019.07.26 Friday
  • 06:29

client:毎日新聞社

作・絵 日端奈奈子

2019.1〜2019.3

 

毎日小学生新聞にて
「アリスの不思議なびいどろ」というお話を連載させていただきました。

(毎週日曜日・全13回)

 

 

〜第11話〜

 

 

びいどろが割れて、私は
目を覚ました。

 

 

…元の世界に戻ってきた…?

 

 

私は…小学生ではなかったことを思い出した。

すっかり大人になったアリスだった。

 

リリアス…?

 

リリアスもどこにもいなかった。

アリスの不思議なびいどろ 第10話

  • 2019.07.21 Sunday
  • 13:33

client:毎日新聞社

作・絵 日端奈奈子

2019.1〜2019.3

 

毎日小学生新聞にて
「アリスの不思議なびいどろ」というお話を連載させていただきました。

(毎週日曜日・全13回)

 

 

〜第10話〜

 

リリアスと一緒にいると楽しくて
楽しくて、ワクワクして
違う星に来ていることなんてすっかり
忘れていたの。

 

「ここは創造の迷宮。アリスの想像した
とおりの未来があの扉の奥に
拡がっているの。想像した数と
同じだけの世界がちゃんと創られている
から覗いてみて。」

 

ドキドキしながらいくつもある扉のひとつ
に向かった。

 

そのとき…大切にしていたびいどろを
落として割ってしまったの。


もうこの世界には戻れないし
リリアスにも会えなくなるんだってわかって
その瞬間、時間が止まったみたいだった。

アリスの不思議なびいどろ 第9話

  • 2019.07.21 Sunday
  • 13:30

client:毎日新聞社

作・絵 日端奈奈子

2019.1〜2019.3

 

毎日小学生新聞にて
「アリスの不思議なびいどろ」というお話を連載させていただきました。

(毎週日曜日・全13回)

 

 

〜第9話〜

 

「次は色々なものを作る練習ね。」

 

リリアスはそう言って目を閉じた。

 

花を作ったときのように両手のひらを返すと
焼きたてのクロワッサンがパッと現れた。

 

「わあ、いい香り!」

 

食べてみると、すごく美味しかった。

 

「何度失敗しても良いの」

 

失敗続きの私に、リリアスはあっけらかんと
言った。

 

練習を続けてしばらくすると…

 

ついに…イメージしたものが作れるように
なってきたの!

 

コツは、それがどんな手触りで、どんな重さなのか
までしっかりイメージすること。

 

「アリス、あれは一体なに?」

 

「ガラスのクロワッサン」

 

「ガラスの??そんなの一体
どうやって食べるのよ」

 

私たちは顔を見合わせて
げらげら笑った。

アリスの不思議なびいどろ 第8話

  • 2019.07.17 Wednesday
  • 13:42

client:毎日新聞社

作・絵 日端奈奈子

2019.1〜2019.3

 

毎日小学生新聞にて
「アリスの不思議なびいどろ」というお話を連載させていただきました。

(毎週日曜日・全13回)

 

 

〜第8話〜

 

その話を聞いたら、胸がワクワクしてきたの。

 

だって、あの気味の悪い森は私の宝探しが
できる冒険の森ってことになるでしょ?

 

「ここでは空を飛ぶのもわけないの。
ほら、こうしてみて。」

 

私はリリアスのいうとおりに
手と足にほんの少し力を入れて
体を浮かせようとした。

 

すると、ふうわり体が宙に浮いた。

 

 

ぐんぐん ぐんぐん

 

どこまでも空高く舞い上がるのは
最高の気分だった。それなのに…

 

ふと「何で飛べるんだろう?」って
思ってしまったの。

 

そのとたんに真っ逆さまに落ちていった。
リリアスが叫ぶ。

 

「大丈夫、止まるって信じて!」

 

私は懸命に、想像をした。

 

そうしたら本当にぴたりと止まって
ふー、っとため息がもれた。

 

そのあとはゆっくりゆっくり
浮いたり沈んだりしながら
目の前の建物の屋根にそろーりと降りた。

アリスの不思議なびいどろ 第7話

  • 2019.07.17 Wednesday
  • 13:39

client:毎日新聞社

作・絵 日端奈奈子

2019.1〜2019.3

 

毎日小学生新聞にて
「アリスの不思議なびいどろ」というお話を連載させていただきました。

(毎週日曜日・全13回)

 

 

〜第7話〜

 

びいどろの澄んだ音が
聞こえて…

 

気が付くと、リリアスと
一緒に丘の上にいた。

 

「今、急に暗い森に行ってしまって…
デルフィズっていう子に会ったんだよ」

 

リリアスは振り向いてうなずいた。

 

「アリスが嫌な気持ちでびいどろを吹くとすぐに現れるよ。
でも全然怖がらなくていいの」

 

あっけらかんとして言葉を続けた。

 

「あの森はね、アリスが望むものを探すための森なんだから」

 

「ええ?! あんな所に私のほしいものなんてないよ!」

 

「そうだね、あの森にはアリスのほしくないものばかり。…ということ
は…?」

 

そう言われて、パッとひらめいた。

 

「ということは…その反対のものが私のほしいものってことね!」
 

アリスの不思議なびいどろ 第6話

  • 2019.07.14 Sunday
  • 15:01

client:毎日新聞社

作・絵 日端奈奈子

2019.1〜2019.3

 

毎日小学生新聞にて
「アリスの不思議なびいどろ」というお話を連載させていただきました。

(毎週日曜日・全13回)

 

 

〜第6話〜

 

気味の悪い森とデルフィズのことで
心はいっぱいだった。

 

私を呼ぶ声がして
空を見上げて、はっとした。

 

リリアスを空に感じた瞬間…

 

さっきまでの嫌な感じとは違って
陽がさしたみたいに心が明るくなったの。

 

リリアス… リリアスなのね!

 

手に持っていたびいどろをまた吹いた。

 

 

ティットン…! ティットン…

 

 

高く、澄んだ音色がこだました。

アリスの不思議なびいどろ 第5話

  • 2019.07.14 Sunday
  • 14:57

client:毎日新聞社

作・絵 日端奈奈子

2019.1〜2019.3

 

毎日小学生新聞にて
「アリスの不思議なびいどろ」というお話を連載させていただきました。

(毎週日曜日・全13回)

 

 

〜第5話〜

 

その瞬間、暗い森の中にいた。
「リリアス?」
「私はリリアスではない。
デルフィズだ。」

 

リリアスに似ているのに、
邪悪な悪魔のような女の
子はこう続けた。

 

「お前の夢なんか叶うわけないだろう!
ほうら、センスのないお前が店なんか作ったら、
こんな商品ばかりだろう? ヒャッハハハ!」

 

心無いことを言われたショックで思わず涙が溢れてきた。
こんなの全然ちがう!
私はもっと素敵なお店が作りたいのに!

 

そのとき、どこからか声が聞こえてきたの。

 

アリス…    アリス!
 

アリスの不思議なびいどろ 第4話

  • 2019.07.09 Tuesday
  • 14:15

client:毎日新聞社

作・絵 日端奈奈子

2019.1〜2019.3

 

毎日小学生新聞にて
「アリスの不思議なびいどろ」というお話を連載させていただきました。

(毎週日曜日・全13回)

 

 

〜第4話〜

 

「これはついさっき、私が作ったお花よ。
この星ではね、心に思い浮かべたものが
すぐに形になるの」


ほら、とリリアスが手のひらをくるりっ、と
返すと、見たことのない花がぱっと現れた。

 

「アリスもやってみて」
「えー!私にはムリよ!」


思わず言ったけれど、リリアスに
教えてもらいながら、真似をしてみたの。

 

マーガレットみたいな花をようくイメージして
手のひらをくるりっ、と返した。

すると…
 

シワシワの紙くずが地面にぽとりと落ちた。
 

「やっぱりできっこない…」
 

 

そして何気なくびいどろを吹いたら…
 

ディドゥン! ディドゥン…
 

 

なんだかさっきとは違う、おかしな音がした。

アリスの不思議なびいどろ 第3話

  • 2019.07.09 Tuesday
  • 14:08

client:毎日新聞社

作・絵 日端奈奈子

2019.1〜2019.3

 

毎日小学生新聞にて
「アリスの不思議なびいどろ」というお話を連載させていただきました。

(毎週日曜日・全13回)

 

 

〜第3話〜

 

そこは美しい花が咲き、木々の輝きが
まぶしかった。
遠くには神殿のような建物が見えた。

 

気が付くと、夢に見ていたようなドレスを着ていたの。
そこに羽根のついた可愛らしい女の子が現れて…
名前は「リリアス」だって教えてくれた。

 

「アリスの夢って、とっても素敵   !」

 

リリアスは目をきらきら輝かせながら言った。

 

私は驚いて
「どうして私のことを知っているの?ここはどこ?」
って聞いたんだけど
「ここはロッティという星よ。あなたのことは昔から知っているわ」
とリリアスは答えた。

 

でも私の知りたいことはほとんどわからなかった。

calendar

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< August 2019 >>

Dogshelter

FreePets

selected entries

categories

archives

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered by

無料ブログ作成サービス JUGEM